あるがままに。

二重生活

憧れの新婚生活。

私の最も憧れていた新婚生活。
その擬似体験を午前中にした。
あまり、私には向かないのだと
感じた。
忙しなく誰かの笑顔のために
動かなくてはならない、
尽くさなくてはならない、
笑顔でいなきゃならない、
それは、幸せとは呼ばないと思うんだ。
たとえ前述の事柄が間違っていたとしても
私の求める結婚相手はこの人ではないのだと感じた。


ご飯を作るために買い物をしたり、
台所に1人で立ったり、
体を求められたら応じる、
料理をほめられること、
おかわりをつぐこと、
それらは嬉しいことなのだろう。

まだ、
泥濘から抜け出せない私の憧れ。
相手には
今日はサンキューと言いながら
ショックを隠しきれない。

あの日見ていた幼い新婚生活は
きっとまだ逢えない誰かの腕の中にあるんだ。