元旦の夜
昼からは、高野山につれていってもらった。
務さんには連絡できなかった。
毎日迷惑をかけていて、右足も痛いし
しびれてるだろうし、初詣も行けないだろうし
誘えなかった。
つれていってもらったのは糸井だった。
手さえ繋がなかったからただの運転手。
スピーカー持っていって、Bluetoothで音楽飛ばして
となりのひとのこと考えずずっと歌ってた。
両手と口を冷たい水で清めて、
お香と線香で体を清められた気がした。
お祈りして、
高野槙もちゃーちゃんに買えて良かった。
私は今まで本気で他人を好きになってはいけないと心に決めていた。執着するし嫉妬深いし私だけを見て欲しくなるし、傷つけるし、思い込み激しいから、重すぎる。一度愛し抜いた人に裏切られた経験は娘という人間の形をして私の足枷と傷跡になっている。裏切られた後もずっと、いつだって私の側にいる。人格さえ持っている。
男は皆、この身体を捧げれば、私のタダの身体欲しさに離れなくなる。もう、そこから、抜け出したかった。人を愛する権利も、愛される権利もないけど、私は、生まれ変わりたかった。
私には他人を愛する権利なんてないんだって、ずっとそう思っていた。暴れる私を押さえて、貴方が横たわり、昨日涙を流しながら、教えてくれた。死にたくなくても生きれない人もいると。思い出し泣きかな?ごめんなさい。
お願いだから生きてくれ、失いたく無いって。
やっと、やっと、
許された気がした。
何時間ひとつになっていただろう。
笑える。
突かれている間も、ずっと、
チラチラと見え隠れする、
あの人の仏壇と遺影を見つめてた。
貴方の左手の薬指に無い、銀色の輪っか。
どこへいったの。
貴方はおどけてみせるけど、跡形。ハンパないよ。
申し訳ないけどこんな、私ごときが、崇高な貴方を愛してしまった。。。
男の電話番号、私に内緒で、勝手に消してくれてありがとう。どこかにクッションをつくっとかなきゃ、見捨てられた時に壊れてしまうのはもう嫌だから、どうしても消す行為ができなかった。
私は魔女みたいに嫉妬深くて醜い。
そんな私を貴方は
ずっと愛して下さるんですな?
元旦の夜、ひとつになれた気がした。
本当に。信じても良いんですか?
奥さんの姉妹もお母さんも居るのに、
私の存在は許されないと思うんだ。
また、板挟み。