あるがままに。

二重生活

disappear

こんなに、消えてしまうことが

難しいなんて、今まで知らなかった。

薄くはなっても、消えたりしない。

名前が、ある。

どうして。

やっぱり、消えない。

弁護士は、道端でもホテルでも合意がなければ

同じだと言った。

でも誇りには思えない。

もう、戻りたくないから。

お客さんはすぐ、りさやしずかのことなど

忘れるだろう。

そう思いたい。

耳鳴りなの?

着信音が響く。

こわい、消えて。