あるがままに。

二重生活

劣等

すべてにおいて人並みにできない気がする。
昔からそうだった。
いわゆる、劣等生。
看護学部では、二位の成績をキープし続けたけど
実社会においては、
生きることすら困難だ。
発達障害なのはわかる。
人格障害だというのもわかる。
常に空虚感と向き合って
孤独に耐えて、薬をたくさん飲み
対症療法もおこなっている。
一向に良くならないのはわたしが生きているからだ。

こんな人間、生きてる価値あるの?

憧れの新婚生活。

私の最も憧れていた新婚生活。
その擬似体験を午前中にした。
あまり、私には向かないのだと
感じた。
忙しなく誰かの笑顔のために
動かなくてはならない、
尽くさなくてはならない、
笑顔でいなきゃならない、
それは、幸せとは呼ばないと思うんだ。
たとえ前述の事柄が間違っていたとしても
私の求める結婚相手はこの人ではないのだと感じた。


ご飯を作るために買い物をしたり、
台所に1人で立ったり、
体を求められたら応じる、
料理をほめられること、
おかわりをつぐこと、
それらは嬉しいことなのだろう。

まだ、
泥濘から抜け出せない私の憧れ。
相手には
今日はサンキューと言いながら
ショックを隠しきれない。

あの日見ていた幼い新婚生活は
きっとまだ逢えない誰かの腕の中にあるんだ。